魂の文学的良心

感想とかレポとか日記 

最近読んだミステリー本の感想をひたすら書こうっと(^_-)! 〜第3弾〜

 

積ん読が溜まりすぎて焦ってます。購買意欲と読むペースが釣り合ってない。常に視界に入る位置に積んであるので、その都度「ヤベー…」って戒めてるんだけど、それでも新しいの買ってきちゃう。裏表紙のあらすじ書いてる人、天才。

というわけで、読了後感情羅列禄の季節です。以下から最近読んだ本のおおざっぱなあらすじと感想書く。今回で第3段だけど、ブレずにミステリーばっかり読んでるよ。もうそろそろ別のジャンルにも手を出せ。

これまでの分はこちら。

ciiiars.hatenablog.com

ciiiars.hatenablog.com

 

核心的なネタバレには触れないようするけど、中には何書いてもネタバレになっちゃうようなのもあるから、配慮しきれんかったらスマン。

 

 

 

↓↓↓↓↓↓↓↓

 

 

 

 

神様ゲーム / 麻耶雄嵩

<あらすじ>小学生の芳雄が住む神降市では、「連続猫殺し事件」が巻き起こっていた。ある日、転校生の鈴木は自身が『全知全能の神』であることを芳雄に語り、猫殺しの犯人に留まらず、芳雄しか知り得ない過去の事実や、未来で起こる出来事などを次々と言い当てていく。そんな矢先に、芳雄の周辺で残酷な事件がおこる。芳雄は鈴木の元へと向かった。

 

物語中に登場する秘密基地や、途中起こる事件の捜査など、小学生と一緒になって肝試しするような感覚で楽しい。そこにさらに『真実』のみを語るとんでも設定鈴木くんの存在で、斬新&新鮮な展開の連続でめちゃくちゃ面白い。鈴木くんの答えがどんなに有り得なくても、それが全ての真相なんです。ミステリー要素もおもろいけど、ちょっとホラーっぽいぞわぞわした感覚に襲われる箇所もあり。あと、様々な意見が飛び交うあの結末ね。どうしたらいいんやこの胸のモヤモヤは…!どうも子供向けとして出された本らしいんだけど、いい加減にしなさい。

 

蛍 / 麻耶雄嵩

<あらすじ>過去に居住者6人全員が殺害されたという、そんないわく付きの黒レンガ屋敷に肝試し合宿にやってきたオカルトサークルの6人。このサークルでは半年前に、所属する女子メンバーの1人が、未逮捕の殺人鬼に惨殺される悲惨な事件があった。そんな中で開催された合宿。嵐で閉ざされた山荘で、第1の殺人が起こる。

 

凄惨な事件の残り香が、文面からもぷんぷん漂ってくる。悪趣味な先輩や、得体の知れない同級生など、建物自体も嫌な感じなのに 一つ屋根の下で過ごす仲間たちもなんか気味悪くて、読みながらもずっとソワソワしてしまう。落ち着ける瞬間ゼロ。そして後半明らかになる屋敷の全貌に、これまでの事件の真相、殺人鬼の正体、予想だにしないどんでん返しなどなど、次々と襲い掛かってくるシーンは圧巻です。そして神様ゲームに引き続き、唖然とする結末。麻耶作品は問題作揃いと各所で見かけるのでずっと気になってたんだけど、噂にたがわぬ癖強人(くせつよびと)でした。あのねえ………、私は好き♡

 

六枚のとんかつ /蘇部建一

<あらすじ>保険調査員の小野は、保険金絡みの事件や事故が起こるたび、現場に出向いて不審な点がないかを探るのが主な仕事。そんな小野が出くわした、数々の事件をまとめた短編集。

 

様々な読書ブログで、おバカミステリーの代表格みたいな扱い方されてた一冊。そんなんで期待大で読み始めたら、それを大いに上回ってくれるアホバカ加減で満足度超高かった。裏表紙の説明書きの時点で既におもろい。『オナニー連盟』あえて収録すな。

主人公の小野が事件の度に現場に出向き、ミステリー作家だとか後輩調査員だとかとバディを組んで謎解きに挑むって流れが基本。しかし小野がポンコツ名推理連発すぎて話にならなくて面白い。さらにミステリー作家の古藤も、切れ者っぽい雰囲気漂わせといてあんたもポンコツなんかい。一瞬ホームズとワトソンっぽい空気感になるんだけど、それが崩壊するまでの展開が早すぎて毎回キャッキャする。エピローグのズコり具合は毎度圧巻です。「しおかぜ17号」が一番好き。

 

 

悪い夏 / 染井為人

<あらすじ>ケースワーカーの主人公は、同僚が生活保護の女性を脅迫して肉体関係を迫っていることを知り、真相を突き止めるために調査を行う。しかし脅迫事件は次第に形を変え、社会のどん底で暮らす様々な人を巻き込んで、予想もしない悲劇を生むことに。

 

最初から最後までジェットコースターみたいにスリリングな物語。前半も結構怒涛のスピード感なんだけど、途中あるほんの些細なきっかけから一気に急降下する、後半の疾走感たるや。一瞬も緊張がゆるむことなくて、読後めっちゃ疲れた。展開もすさまじんだけど、取り扱ってるテーマがこれまた高カロリー。一生懸命仕事する人よりも生活保護受給者の方が豊かな暮らしをして、不正受給の裏で本当に必要な人には届かなくて、そんな切実な社会問題に心が苦しくなる。そんで見どころは後半の怒涛の修羅場シーン。あの人のカミングアウトは予想外すぎて笑っちゃった。お前もアウト側やったんかい!?

 

頼子のために / 法月綸太郎

<あらすじ>17歳の愛娘『頼子』が殺され、その事件に対する警察の動きに疑念を抱いた父親は、「犯人を密かに突き止め刺殺し、自ら死を選ぶ」という手記を残していた。しかしその裏には、衝撃の真実が…。

 

名探偵・法月綸太郎シリーズ!各所でシリーズ一作目の『雪密室』から読むと良いよって言われてたんだけど、そうなんだ~!って思いながら三作目から読みました。でも別に大丈夫だったよ。法月警視と息子の綸太郎の関係、一瞬厳格な感じかと思いきや、結構仲良しでニッコリ。ただワープロのコンセント抜くのだけは許さん。

まず冒頭の頼子父の手記だけでめちゃくちゃ読み応えある。手記から始まる物語は100%ウソが隠されてるはずなんだけど、どう読み取っても完璧な手記に見えるんだよね。しかしそこに隠された小さな違和感や心の叫びを見逃さず、己の足でこつこつと調査する綸太郎の健気さ!結構地味な捜査が続くのに、飽きさせない文章もすごい。あと、タイトルや表紙のような美しい物語を期待してはいけない。色々とあまりにハードすぎる、心がかき乱される一冊。

 

キングを探せ / 法月綸太郎

<あらすじ>各々殺意を抱えた4人が集まり、動機から手繰られないようにターゲットを取り替える、「四重交換殺人」を計画した。完璧なはずの犯罪に、法月警視と綸太郎コンビが挑む。

 

再び登場、法月綸太郎&父・法月警視の事件簿。最初に犯人たちの企みのシーンから始まり、それを法月親子が徐々に崩していく感じの物語。とにかくトリックが緻密で、パズルのピースを合わせていくような感覚の謎解き。「誰が」「誰を」「どの順番で殺したか」この3つのパーツがすべて噛み合った瞬間の気持ちよさは凄まじい。ほんで法月警視と綸太郎がご飯食べながら事件の謎を解くシーンとか、仲良しでめちゃくちゃホッコリした。法月警視、息子のうなぎを奪うな。この後出てくる中山七里さんの岬親子とは雲泥の差だよ。

 

探偵ガリレオ / 東野圭吾

<あらすじ>突然燃え上がる頭部、心臓だけ腐った死体、海水から上がる火柱……説明のつかない常識はずれの難事件を、帝都大学理工学物理学科助教授の湯川学が解き明かす短編集。

 

東野さんの超有名シリーズ、ここに来てやっと手を出しました。一般的でない科学を使ったトリックはどれも目が点になるようなものばかりで、実証実験のシーンはワクワクしっぱなし。実験のシーンはすごく映像映えしそうなので、一度ドラマを観てみなくては。湯川先生、頭脳明晰な上にスポーツ万能なんて完璧じゃん!と思いきやちゃんと変人で嬉しかった。湯川先生を一回保育園にぶち込んでみたい。

 

 

放火魔 / 折原一

<あらすじ>振り込め詐欺、連続放火、交換殺人など、様々な犯罪とその裏で起こった衝撃の真実を描くミステリー短編集。

 

折原一さんの長編小説にはこれまで散々騙されてきました。短編なら謎解きもしやすいだろうと挑んだのですが、それでも毎度毎度「えええ〜〜!?(°▽°)」みたいに元気いっぱい騙されます。一回騙されてこれで物語が終わりと思いきや、追加でもう一回騙されたりするからね。全体的にちょっとブラックな結末の物が多いけど、本編5作品はどれも読みやすくてめちゃくちゃ面白かった。ボーナストラックの『黙の家』はしばらく「???」状態から抜け出せんかったけど、その奇妙な読後感も込みで楽しめた。

 

桐島、部活やめるってよ/ 朝井リョウ

<あらすじ>男子バレー部のキャプテン桐島は、ある日突然理由も告げずに部活をやめた。そこから学校生活に小さな波紋が広がり、様々な事情を抱えた学生たちに些細な変化を及ぼす。

 

これまでミステリーづくしで来たけど、ここに来て突然の青春群像劇。ほんの些細な変化でこれまで保ってきた均衡に小さなヒビが入り、そこから自分の立場や劣等感が刺激され、やがて胸の内が小さく変化していく様に心が揺さぶられる。周囲を気にせず好きなことにのめり込むこと、思い返せば高校時代って出来てなかったな。映画部の子らがちょっと羨ましくなった。

ワタクシこの作品の高校生と大体同世代なんですが、それゆえ、その当時に流行った盛り髪や崩した制服、グループごとに明確にある見えない壁、派手な女子の群れた感じ、オタクへの風当たりの強さなどなど、当時の自意識過剰で尖った空気の臨場感がすさまじくて、一気にタイムスリップしたような感情に襲われてクッーーーーー!痺れるーーーーーー!!!

 

ホテル・ピーベリー / 近藤史恵

<あらすじ>ハワイ島に長期滞在しにきた主人公は、「リピーターを受け入れない」ことが特徴の、日本人が経営するホテルへとやってくる。島を満喫しようとした矢先、同宿者たちに次々と事件が巻き起こる。このホテルに隠された秘密とは…。

 

旅行小説は初めてだったんだけど、導入からウキウキが止まらん。ハワイの地に降り立った空気感が文面からブワッと伝わってくる。たまにはこういう、特に何も起こらないのんびりとした時間を綴った小説も楽しみたいかな…、と思った矢先に作中で事件が起きて、待ってましたとばかりに跳ね上がる私の心臓。やっぱこれだよね〜☆ 

一見安息の地に見えたホテルが、急に得体の知れないモノへと変貌する様に胸踊る。そして次々と巻き起こる、事故か事件か微妙な騒動の数々。徐々に明かされる宿泊者たちの正体だが、真実を語っているのか分からない。そして主人公にも暗い過去があり、そんな彼に救いの手を差し伸べる人物もあり。人間ドラマの詰まった、ぎっしり濃縮の一冊。

 

さよならドビュッシー/ 中山七里

<あらすじ>ピアニストを目指す16歳の遥は、火災に合い全身に大やけど負った。火災の原因や遺産相続で家族がもめる中、ピアニストの夢を諦めず猛レッスンに励む遥。しかし遥の周囲で不吉な事件が起き始め、やがて殺人事件まで発生する。そんな彼女の元に現れた、新進気鋭のピアニスト・岬洋介は、遥を導きながら、同時にすべての謎の真相に迫っていく。

 

七里せんせーの記念すべきデビュー作!凄腕ピアニストの岬洋介が、事件の謎解きをしながら、教え子とピアノコンクールに挑むお話。レッスンのシーンはスポ根青春もののような熱さがあり、コンサートシーンは圧巻の描写で本当にピアノコンサートに来たみたいなリアリティ。謎解きの緊張感もあって、怒涛の展開であっという間に読了しました。軽いマラソン走った後みたいなスカッと爽快感のある読後感。作中に出てくるピアノの音を表現する言葉、まだ出てくるの!?ってくらい豊富に出てくるからびっくり。文章だけで音楽を感じさせるってすごいね。

 

切り裂きジャックの告白/ 中山七里

<あらすじ>東京都内の公園で、臓器をすべてくり抜かれた死体が発見された。やがてテレビ局に「ジャック」を名乗る人物から犯行声明文が届き、似たような手口で第二の被害者が。二人に接点はなく、怨恨か無差別の線が疑われたが、捜査一課のエース・犬養刑事の捜査により、被害者二人にある共通点が浮かび上がる。ジャックと警察の熾烈な攻防が始まる。

 

七里先生の大人気シリーズ、「刑事犬養隼人」の第一弾!敏腕刑事・犬養の鋭い捜査に魂が痺れる一方、現代社会でも答えが出にくい問題を取り扱った社会派小説。そして先生お馴染みの、すんげー残酷グロ描写も満載。臓器全くりぬきの描写、無駄に細かい。そして意外な結末にほろっと泣ける、旨みの凝縮された一冊。犬養の他、七里先生が有する名物キャラ達も多数登場。物語の途中で埼玉県警と協力する流れになるんだけど、ハッ!?この流れはもしや…?こ…?こ…?ってわくわくで読み進めていったら、キターーー(‘∀‘)!!!七里先生の他作品の主人公、 みんな大好き古手川の登場にめちゃくちゃテンション上がった。犬養と古手川、似た者同士の暴れ馬刑事がバディって最高すぎる。そしてあちこちで男前だ男前だと言われる犬養に対し、古手川の方は不遜だとかまあまあ不名誉なこと言われてるの笑っちゃった。それでこそ俺たちの古手川だよ。

 

七色の毒/ 中山七里

<あらすじ>七つの“色”にまつわる凶悪な事件に、捜査一課のエース・犬養が挑む短編集。

 

犬養シリーズ第二弾!前作の切り裂きジャックでは犬養に特に良い印象なかったんだけど、今作では180度違い、とにかくカッコいい仕上がりに!『野郎の嘘を見抜く名人』の言われは伊達じゃなく、容疑者の些細な仕草などから、一気に真相に迫る心理戦が目白押し!取り調べのシーンが何度も登場するんだけど、犬養の観察眼の鋭さに痺れます。犬養さえ出てきたら全部どうにかしてくれる安心感がある。そして七里先生名物のどんでん返しだけど、今作でも犯人逮捕の後にさらにもうひと押しある展開が多く、タイトルの伏線回収と合わせて最後までものすごい勢いで読まされました。

 

ドクターデスの遺産/ 中山七里

<あらすじ>とある少年の通報から、依頼を受ければ20万円で安楽死を提供する、「ドクター・デス」という医者の存在が明らかになる。ドクター・デスとはいったい何者なのか。難航する捜査をあざ笑うかのように、各地で類似の事件が次々と発生する。捜査一課の犬養刑事と、相棒の高千穂が事件の真相に迫る。

 

犬養シリーズ第四弾。こちらも現代社会でも度々問題に上がる『安楽死制度』を取り扱った、ヘビーな社会派小説。雲をつかむような捜査にヤキモキしながらも、ほんの些細なきっかけで一気にドクター・デスに近づくスリルにハラハラドキドキ。今作でも犬養の鋭い観察眼がいかんなく発揮されてて胸熱。さらに犬養の相棒・高千穂も登場。一作目の切り裂きジャックでも名前だけ出てきた気がするけど、3作目からしっかり相棒として描かれてたみたい。高千穂が犬養と真逆のアプローチで関係者に迫るシーンもあり、2人のコンビネーションにも胸躍ります。2人があんま仲良くなさそうで、それもまたヨイ。

 

合唱/ 中山七里

<あらすじ>幼児ら5人を惨殺した凶悪犯が逮捕された。担当検事となった天生は、記憶がないと一貫する凶悪犯と対面する。しかし取り調べの最中に天生は意識を失い、目が覚めると目の前には銃殺された凶悪犯の死体。さらに自身の手には拳銃が握られていた。殺害容疑で逮捕される天生。そんな彼を救うため、あの男が帰還する…。

 

国外で大活躍中のピアニスト・岬洋介が、かつての友人のために帰国し、爽やかに鮮やかに事件を解決する物語…かと思いきや、名物キャラが続々参入してきて、七里作品のファンは全員総立ちになる。まずいきなり出古手川(でこてがわ)をかましてくれて、古手川のオタク大歓喜。相変わらず猪突猛進で笑った。うんうん、それでこそ俺たちの古手川だ。他にも悪徳弁護士の御子柴、捜査一課のエース犬養、天才法医学者の光崎など、各シリーズの主人公たちが揃い踏み。しかしその面々を前にして、カッコいい所を全部かっさらっていく岬洋介ーーー!!!主人公の圧倒的光量で全クセ強キャラを飲み込んでいく~!岬洋介が天生検事を救いたい理由もめちゃくちゃかっこいいし、後半津波のように押し寄せる岬洋介の活躍に、いやいやちょっとあまりにかっこよすぎるやろ…とため息が出る。すごいドラマ映えしそう。そんで岬洋介と、洋介パパの岬検事正、2人の関係が想像以上にギスギスしてて笑っちゃった。法月親子みたいに一緒にうなぎ食べればいいじゃん♪

 

理由/ 宮部みゆき

<あらすじ>東京都荒川区の超苦層マンションの一室で起きた、老若男女4人を巻き込んだ死亡事件。ところが、4人の死者はそこに住んでいるはずの家族ではなかった。殺されたのは「誰」で、「誰」がなぜ殺人者となったのか。大勢の関係者の証言から紐解いていき、事件の真相に迫る。

 

事件関係者の親族たちへのインタビューが次々行われ、そこから様々な人間関係や事件の裏が明らかになる、ルポ形式。それぞれの家族の事情が細かく語られていて、ノンフィクションのドキュメンタリーかと思うほど重厚でリアリティがあった。他人とのつながりや血縁について色々と考えさせられる。人々の人生をここまで書き込める宮部みゆきさん、すげえ~。

加害者も見方を変えればある意味被害者だし、逆もまたしかりの、どこか物悲しい物語。分相応の暮らしを慎ましく送れるのがどれだけ幸せなことか、改めて考えさせられた。

 

イニシエーションラブ/ 乾くるみ

<あらすじ>主人公の鈴木は、合コンで出会ったマユとお互いに惹かれ合い、やがて交際へと発展する。しかししばらくして鈴木は東京へ派遣となり、2人は遠距離恋愛に。マユへの気持ちが疎遠になっていく一方、派遣先で出会った美弥子と意気投合することに。やがてマユとの間に巻き起こった騒動に、美弥子の甘い誘い。そして3人の愛憎劇は、衝撃の結末を迎えることに。

 

最初は普通の恋愛小説で、出会って付き合って愛をはぐくむカップルのささやかな日常が描かれていくんですよ。面白みがねえな…などと思って読んでいるうちに、ふと出てきた表現に些細な違和感を覚え、その違和感の正体が分からないまま最後まで行くと、ええええええ~~~~~~~~~~~!!!????みたいな超ド級の衝撃が訪れる。本作にビックリ展開がある事は事前に知ってたんだけど、そんな予想ははるかに上回ってくる。そして驚かされた後にここまでの流れを今一度整理した時に訪れる、えげつない不快感。穏やかな生活の裏に、こんな恐ろしいものが隠されていたとは。

 

ある閉ざされた雪の山荘で/ 東野圭吾

<あらすじ>とある舞台のオーディションに合格した7人が、高原のペンションに集まって舞台稽古をすることに。テーマは「孤立した山荘での殺人劇」だが、徐々に仲間たちが消えていくにつれ、彼らの間に疑惑が生じはじめる。はたしてこれは芝居なのか、それとも本当の殺人事件なのか?

 

東野圭吾さんの、山荘のクローズドサークルもの!仮面山荘、白馬山荘と同様、これもめちゃくちゃ面白かったです。芝居なのか殺人なのか、殺人だとしたら動機が全く予想できなくて、真相が分かるまではずっと緊張しっぱなしでした。巧みなトリックも仕掛けられていて、それが明かされるシーンでは感動してしまった。騙されるの気持ち良い〜! ラストの展開は胸にグッとくるものがあるんだけど、そんな感動シーンに突如差し込まれる温子…!最後の最後でかまされる温子ムーブに爆笑してしまいました。お前はいいやつだ!温子、別の作品でも出てこないかな〜。

 

弁護側の証人/ 小泉喜美子

<あらすじ>ヌードダンサーのなみ子は、財閥の御曹司と恋に落ち、玉の輿に乗ることに。しかし幸せな結婚生活は長くは続かず、当主である義父が何者かに殺害されてしまう。さらに犯人は警察の手を逃れ、別の人物が誤認逮捕されてしまうことに。弁護側が用意した証人をめぐり、生死をかけた闘いが始まる。

 

現代と過去が交互に語られながら、過去起こった事件の謎を解明していく物語。序盤からいきなりビッグトリックが仕掛けられていて、全く気が付かないまま真相にたどり着き、種が明かされた時は驚きと同時にショックに襲われた。そんな真実知りたくなかったな。ここまで信じていたものは一体何だったんだろう…。結構胸糞悪い展開が続くんだけど、最後は爽快で未来に期待が持てる終わり方で、スッキリしました。キャラクターの個性がハンパなくて、単発で終わるにはもったいない宝の山。エダーーーー!!!好きだ~~~~!!!!!

 

 

以  上  !!!!

七里先生の作品にハマっていたので、七里続きですね。常に古手川を求めてしまう。七里先生のヒポクラテスシリーズでは、古手川に春の予感!?らしいので、それは今すぐ読まなくては。古手川の恋、陰ながら見守らせてもらうよっ☆